各学生の発表内容とコメント

▼教育系の学生、廣田さん

彼女は千葉大・教育学部の住居学講座で勉強しています。地域に根付く掛け替えのないシンボルとしての路面電車を、住まい方づくりの立場から地域の暮らしを見据えて、その中での電車の役割を、昨今の交通まちづくりの勉強の基礎となるようなプレゼンテーションの形で紹介しました。

千葉在住と言うことで地元ネタに対するツッコミの足りない面も見られましたが、地元の人たちの利用者意識を増進させるための資料として問題の背景にまで言及していたことから、続く分科会では「交通と暮らしの(個々の)バリアフリーをつなぐ、『まちのバリアフリーこそが大事』」と言う議論にまで及んだそうです。

▼文系の学生、荒木さん

彼女は富山大で勉強しています。RACDA高岡・島会長から難しいよ、と諭されながらも3地区15戸づつのアンケートとインタビュー調査を敢行し、路面電車のある地区、路面電車と縁遠い地区、鉄道のある地区、のそれぞれで当地の万葉線がどんなふうに見られているかについて、聞き取りました。

彼女が思うよりも万葉線に皆関心があるものの、路面電車がある地区では生活に関わるから関心がある、と回答しているのに対して、電車のない地区では税金が使われるから関心がある、と回答された、とのくだりなど、生々しい報告となっていました。交通まちづくりの分野では広域的な連携を視野として求められるものの、その細部で生じる住民感情について運動側がキチッとしることは少ないように思います。この点を浮き彫りにしていることから、地場に価値のある研究だと感じました。(また続く分科会では、彼女が苦労して築いた地元の人との絆を絶えさせることのないようフォローアップの活動をしよう、と言う意見がでて、地元に人が入ってその絆を手がかりに活動を広げる、と言う新たなるRACDA高岡の活動のひな形が一つ生まれました)

▼デザイン系の学生、高畑さん

彼は、高岡短大専攻科でデザインの勉強をしています。JR高岡駅の周辺に散在するサインの不整合を問題点として取り上げ、観光客を迎える駅として「まだ見知らぬ土地の情報を受け取る」と言う視点から分かりやすい駅周辺の情報環境を作ろうと、サイン、駅空間、観光情報案内の3つのデザインにトライしました。

サイン計画ではそのシステムにキーカラーを設定して文字情報との連動を図りました。また駅空間づくりでは見通しの良さを求めて橋上駅舎化と駅前広場上の空中回廊を提案しました。観光情報案内では情緒性に富む街を巡りたくなる地図づくりに挑戦しました。サイン計画でのキーカラーが対象をイメージさせられるかどうかへの検証不足、駅空間デザインにおける駅新設の前提となる利害関係者の立場への配慮とその言及の不足が見られたものの、情報と空間づくりとをトータルで計画したいとする姿勢は、デザインを学ぶ者のあり方として好ましいもので、今後のスキルアップと社会参加行動によって技術と人格が磨かれて行けば、都市デザインに必要なプロデューサーとして活躍出来るのではないか、と感じました。