路面電車断念 住民ら「困る」「当然」

 沿線自治体にも波紋

 岐阜市の細江茂光市長は22日、名鉄が廃止を決めた岐阜市内線など4路線の存続断念を明らかにした。沿線自治体が探ってきた存続の道は断たれ、90年余りの歴史を持つ岐阜の路面電車は来年3月末で姿を消す。自治体関係者や住民らの受け止め方は様々だ。

 「交通弱者への影響は非常に大きい。残念だ」

 存続断念を知った北方町の白木聡町長は苦渋の表情でつぶやいた。

 揖斐線沿線の高校も重く受け止めている。

 私立岐阜第一高校の清水保副校長は「生徒にとってなくてはならない足なので、来年以降の生徒募集に響くかもしれない」と懸念する。

 揖斐線で岐阜市内の高校に通学している本巣市の高校2年生、川瀬美香さん(17)は「バス路線がないので、路面電車が唯一の通学手段だった。廃止は非常に困る」。

 一方で、存続断念を冷静に受け止める声も少なくない。

 本巣市の内藤正行市長や、関市の西尾治助役は「費用対効果を考えると、存続断念はやむを得ない」と口をそろえた。代替交通機関のあり方を早急に検討する予定だ。

 美濃町線の徹明町駅付近に住む主婦、広瀬治子さん(52)は「ここ30年近くも路面電車に乗ったことがない。バスのほうが明らかに便利だ」と話す。

 岐阜市内のタクシー会社で運転手を務める津田光男さん(58)は「現状をみると、多くの住民が利用しているとは言い難い。廃止は当然だと思う」と言う。

 細江市長はこの日、市議会各会派に存続断念を表明した後、本巣市と北方、大野両町を訪れ、断念の理由を説明した。

 また、岐阜市の小野崎弘樹助役は名鉄本社と国土交通省中部運輸局を訪れ、事情を説明した。

 細江市長は23日に記者会見を開き、存続を断念した理由を正式に発表する。岐阜市議会では27日に全員協議会を開き、改めて理由を聞くことにしている。