基礎デザイン展示関連

外観

基礎デザイン展示関連・外観


今回は、現在運行している電車のなかから、510系の要素を抽出し、パノラマスー パーのディテールを現在の名古屋鉄道デザインの最前衛と位置付け、このイメージ で再構成するという手法をとった。ディテールを含め、車両の構成よりもむしろ、 搭載人員等のスペックについてまず定め、街づくりとの関係でどのような効果があ るのか、といった点に的を絞って方向を詰めたのち、電車としてのデザインを実際 に行う手順を踏んだ。そのなかで出てきた重要なポイントについて記す。

1. 市内線専用列車と郊外直通の双方を満足できる様、その組み合わせを掲示し、それぞれの長所、短所を比べてもらうこととする。

2. 運転手一人当りの対コストに優れる連節車について重視して検討し都市交通のなかで中規模輸送を担える現行の770系クラス以上の輸送人員を確保する。

3. 障害などのハンディキャップをもつ人達が十分安心して乗降し、街に自由に出られるようになる事を応援できる低床車とする。

4. 技術的な面では、最新のものを利用することとし、全体の導入コストに対する初期コストはある意味で高くても必要なものとして受け入れる立場をとる。

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A案:単車構造で、コンパクトなタイプ



いつでも乗れる

車両を小さくまとめ、同時に車両数/運行数を増やすなどして、乗客が「必要な時に必要なだけ乗 ることができる」状況を作り出す、いわゆるフリーケンシーを実現する元とする、という考え方。

◇メリット:車体が小さく、車両あたりの運用時の燃費が小さく済む。(閑散時のムダが少ない)

◆デメリット:乗車定員が少ない。ラッシュ時には一両だけの運行であれば向かない。運用時の 人件費が高くなる。

■このタイプの車両が採用されうるシナリオ:市街化区間専用という限られた環境下での運行 ということで、路面電車の自動運行が可能となる(か、人件費を左右する労働市場に変化が起こる) などの社会状況が現時点とは違うことが前提となるものの、頻繁な乗車機会が実現することを望む 声が大きく、軌道内にも頻繁に自動車が入り込まない工夫がなされているような状況で、軽快に動 く低燃費の車両が投入メリットがあると判断された場合。



B案:一両編成の市内/郊外両用タイプ



どこへも行ける

郊外にも乗り入れる考えのもと、高床部、低床部の両方を兼ね備える半高床車(半低床車とよく呼 ばれるものと同じだが、高床部に郊外線区対応部分という別の機能がある)。

◇メリット:車体は大きく乗車定員はやや多い。A案の理念を実現しつつ同時に郊外にも乗り入 れることができる。

◆デメリット:乗車定員がC案に比べると少なく、ラッシュ時の需要を賄いきれない。(現行でも 2両連節車が走っていることを考えるとラッシュ時対応で現状よりも大きな定員容量が求められて 当然であろう)

■このタイプの車両が採用されうるシナリオ:対人件費という点でコスト的に不利な条件をも つものの、周辺人口も遠方までバランス良く増加し、市街電車〜郊外電車の直通運転がもてはやさ れ、朝夕から昼間、夜間を通して利用者が平均的にあり乗車ピークとボトムとの差が少なく、頻繁 な乗車機会が実現することを望む声がきわめて大きく、加えて自治体が人件費補助に意義を見い出 し、軽快に動く大量の低燃費の車両が投入メリットがあると判断された場合。


C案:3両の連節タイプ

たくさん乗れて低コスト

郊外にも乗り入れる高床部、低床部の両方を兼ね備える半高床車。B案を連節式としたもの。中量 輸送を果たすという目的をもつ近代的な路面電車にふさわしい、大きな収容人員を実現する。

◇メリット:車体は大きく乗車定員容量が大きい。(運転士の人件費を中心とするコスト面におい て)乗客一人当りの経費が低くて済む。

◆デメリット:大容量を前提とした設計であり、一編成あたりの製造コストは高い。

■このタイプの車両が採用されうるシナリオ: 遠方からの通勤通学乗車に運用コストも高く、ラッシュに巻込まれ、駐車場が十分に確保できない自動車に比べ利用価値を見い出されるなか、周辺人口も遠方まで増加し、市街電車〜郊外電車の直通運転へのニーズが感情的にも現実的にも重宝 がられる状況にあって、軽快に動き低燃費で、一度に多くの乗客を捌くことができる車両に対し投 入メリットがあると判断された場合。