3.各種の優待方法、便宜供与

 街を歩くことを勧める市街電車のおかげで、街の活気が確かなものとして続いて行く、という見方にコンセンサスが得られて行くなら、今後、都心商業地の活性化という点で、市電のサービスも自動車向けサービスも同じ意義をもつものだと位置付けられて来るだろう。

郊外の人達が、自動車を利用して都心に来ることが「しんどい」と思い始めている。商店街側が「車の利用を控えてでも電車で来てくれる人には、その気持ちに応えたい。そのために割引などのサービスを広く実施しよう」という流れとなるのは自然なことだろう。 駐車場の経営者にとっては、迷惑な話だが。 

利用者の立場に一番沿った見方として「街ぐるみで電車の利用は応援するけれど、車で来た人も同じように大事にします」という姿勢をまもるところから始めて雰囲気が変わって行く事を待ちたい。

ポイント

◆ まず、都心に人をたくさん引き込むことが大事。

◆ 次に、電車でも車でも(バスでも自転車でも)という姿勢。

 効果として、市内の人が来やすい仕組みに「郊外の人も来やすい」ことでいろんな人がこの町に向けてやって来やすいイメージができる点を挙げることができる。

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現状

現在も従来の駐車場グループの枠を超えた、利用車本位の駐車 優待サービスが、各商店街協力の上に実現している。利用車本 位という形をとるためには、本来別々に組み立てられる収支状 況をその実際の利用度に応じて一部共有する作業が入り、この 作業の繁雑さが、一般的に他の組合等で共通利用体制が生まれ 難い元となっている。本券はその障害を乗り越え、各商店街か ら「委員」を選出して、一部自治体等の広域連合のメリットと 同様の別会計、別予算、助成先の一元化の恩恵が受けられる。

共通駐車券


(このカードは市内で実際に使われているもので、勝手に展示させていただきました)

バス共通回数券

●均一区間で使える、市内回遊を促す切り札。

3者の、おそらく粘り強い協議があって初めて可能となった、 市内均一区間でどのバスにも適用できる共通乗車券である。



(このチケットは市内で実際に使われているもので、勝手に展示させていただきました)


街の至る所にあるバス回数券スタンドで発行されている。市内 のバスにすべて乗れる。別のバージョンとして均一区間を含む、近郊各地からの回数券がある。バス運賃体系の中では非常に使いがっての良いものとして注目できる。なお、全国 各地に同様のチケットがある。

ドイツの運賃連合のように、より広い共通乗車区間の設定が今後望まれる。国の施策として利用者がより便利に、より負担を 低く、という土壌があるため、スマートにきわめて広範囲に共 通乗車区間が広がる状況もあることはある。日本はどうしても運賃精算上の問題点など苦労への危惧が大きいようで、なかなか運賃連合を張ることが難しいようだ。

低廉な買い物バスの運行

●市の助成を盛り込んだ、新しい街の乗り物。

民間事業者に特別に運行の依頼をする形で、市内循環の低廉なバス運行を自治体自ら企画し、実現する。



ムーバスと呼ばれる特別ではあるけれど、誰もが利用できるバスが、街を巡っている。ひと乗車100円で、循環ルートの、どこで降りても、降りなくても(乗り続けても)構わない。街の眺めも味わえる、ゆっくりと移動する乗り物を自治体が用意した。

乗車率がかなり高いが、それでも収支はマイナスだそうだ。それでも、街のひとにとっても、運転士さんにとっても特別な存在で、皆が愛着を感じている。形がまるっこくてかわいらしいから、ということもあるようだけれど。


3a.旅館組合が協賛する一日観光用チケット

宿泊者に対し、宿泊費の中から予め一部を充て、宿泊当日及び翌日にのみ、という形で一日乗車券 を配布する。



概要●5000円程度の宿泊から、大人1人分相当の一日乗車券につき肩代りするもの。

方法●宿に常備し、旅行会社でも宿泊申込とセットで機械で発行して渡す。

目的●路面電車のグループ使用についてのコンセプト「家族ででも、みんなででも」をより確かに する仕組み。

効果●街を巡るのに便利だと利用者が実感すれば、次回の利用率は上がると思われる。

街の観光をますます勧める方法として。


3b.郊外駐車場と片道の家族乗車券(大人一人分)とのセット。

街へ行く際にも、買物時に帰りの分としても購入できる。駐車時間を数時間まとめて。通常価格で 800えん余りのところをおよそ300円相当の優待となる(現行の駐車優待と比較すると、6000円 分の買物となる)


概要●500円で、大人1人分(無賃扱いの子供2人の合計3人〜折衝による〜)相当の片道乗車券 と5時間ぶんの駐車券にするもの。

方法●駐車場に常備し、センター、停留所でも機械で発行する。

目的●路面電車のグループ使用についてのコンセプト「家族ででも、みんなででも」をより確かに する仕組み。

効果●割引額がまとまっていると利用者が実感すれば、利用率は上がると思われる。

車を置くときから始まる「特有の出費」を抑える

3c.商店街協賛・市電/自動車共通優待チケット

街での買物時に一定の条件を満たした場合配布する駐車券を(路面電車)乗車券と併用できるもの。 300円相当の優待となる(現行の駐車優待と比較すると、6000円分の買物となる)



岐阜市街地周辺で使用されている駐車場共通優待券

見かけ上の「簡単さ」にくらべ、実際の精算方法などの面で 「共通化」というものは、実際には莫大な調整作業を必要とする。本件はおそらくそのような障害を何度もつめて話し合う ことを通して運用のための協定を結んだものと思われる。(岐阜市中心部で実際に使われているチケットです。勝手に使用させていただいています)

概要●5000円程度のお買い上げで、大人2人分(または大人一人と子供2人及び無賃扱いの子供 2人の合計5人〜折衝による〜)相当の片道乗車券又は1時間半ぶんの駐車券につき肩代りするも の。

方法●店に常備し、センターでもレシート持込みで機械で発行して渡す。

目的●路面電車のグループ使用についてのコンセプト「家族ででも、みんなででも」をより確かに する仕組み。

効果●割引額がまとまっていると利用者が実感すれば、利用率は上がると思われる。

「自由に選べる移動手段」を実現